玉川村勢要覧2021
10/28

本村のほぼ中央に位置する南須釜地区。この山あいの地域に江戸時代から続く民俗芸能があります。春と夏の年2回、東福寺境内で行われる「南須釜の念仏踊り」です。地区の伝承によると、江戸初期の慶安年間(1648〜1651)、16歳以下の男女が新盆の家々をまわり、仏を供養するために踊ったのが始まりとされています。慶安年間といえば徳川家光が将軍だった時代。その頃から代々、受け継がれてきたのかと思うと感慨深いものがありますが、その間、変遷がなかったわけではありません。明治の後半から昭和初期にかけて一時、途絶えた時期があったのです。それを昭和27年(1952)に復活させたのが明治14年(1881)に生まれ、12歳のときから踊りに参加していた大野ケサさん(故人)です。現在の踊りはケサさんの記憶を基に再現されたもので、その後「南須釜念仏踊り保存会」によって継承され、昭和50年(1975)には県の重要無形民俗文化財に、昭和53年(1978)には文化庁の民俗文化財に、平成16年(2007)には福島遺産百選に認定されています。江戸時代から            受け継がれてきた伝統の舞東福寺境内へみなみすがまのねんぶつおどり10Guide to Tamakawa Village

元のページ  ../index.html#10

このブックを見る