玉川村勢要覧2021
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た31基の古墳のほかに、古墳時代および奈良・平安時代の住居江平遺跡は、阿武隈川右岸に位置しており、旧石器時代から中世までの遺構や遺物が多数発見されました。円墳を中心とし跡合わせて74軒、奈良・平安時代の建物跡98棟などがみつかっています。特に、天平十五(743)年と墨書きされた木簡が出土しており、「続日本紀」の内容を証明する貴重な資料となっています。また、木簡の出土したすぐ近くからは、竹製の横笛もみつかっており、年代が明確なものとしては、日本最古と思われるとても貴重なものとなっています。木簡には、聖武天皇が最勝王経の読経を命じたことを受けて、江平遺跡周辺に居住していた人が最勝王経と大般若経をたくさん読経したという内容が記されています。古墳時代後期の古墳で、墳丘はすでに原形を留めていませんが、横穴式石室の一部が残っています。石室内部は極めて精巧な切石によって構成され、当時すでに権力者がいたことを物語っています。昭和13年に国の重要文化財に指定された五輪塔は、藤原時代末に領主源基光の墓として建立された石塔婆で、日本の石造工芸史上、また仏教美術史上でも非常に評価の高い貴重な財産として巌峯寺参道の覆堂に安置されています。江平遺跡−時を超えた天平人の記憶木簡−【県指定史跡】 【国重要文化財指定】川辺宮ノ前古墳石造五輪塔玉川の歴史16Guide to Tamakawa Village   えだいらいせき  かわべみやのまえこふんせきぞうごりんとう 

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