玉川村勢要覧2021
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1575年創立の宥音聖人堂は、通称「山小屋の聖人様」といわれ、言い伝えでは「宥音」という名僧が、山頂に穴を掘り、干し柿一連を持って、穴に入り「無病息災、安産」を祈願し、鐘を鳴らし読経を続けること100日、仏様になったとのことです。安産の守護神として近郷近在から多くの信者が参拝に訪れます。4月の第2日曜日が祭礼日となって歴       とうふくじしゃりせきとうかわべはちまんじんじゃほんでんいます。東福寺境内(南須釜字久保宿)にある舎利石塔。元久二年(1205年)乙丑・当地の開山和尚の舎利が安置されており、鎌倉時代の弥勒浄土往生の思想を表現したものです。江戸時代初期の建造物で、平成5年〜7年にわたり、県重要文化財として修復工事が行われた本殿は、永くこの地を治めていた石川氏の氏神として、広く信仰を集め崇められてきた由緒ある古社です。現在は、保存のために瑞垣で囲まれていますが、屋根を支える端正で見事な桁の彫刻などは、見るものを圧巻する美しさです。主材に頑丈な栗の木を使い、建築様式は太い木割りを用いた豪壮な江戸初期の造りで、寛文・享保などの改造を経て今日に至っていることが現存する6枚の棟札から伺え、「奉棟札正八幡宮武運長久祈慶長四巳亥十月」の棟札写しからみて、慶長年間の建立ではないかと推察されています。また、内陣天井裏に南北朝期の貴重な古文書が秘蔵されていたり、源頼朝の大蛇退治を加護した伝説など、歴史浪漫を感じさせる話が残っています。東福寺舎利石塔【国史跡指定】宥音聖人堂川辺八幡神社本殿【県重要文化財指定】ゆうおんしょうにんどう史417Guide to Tamakawa Village

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