○玉川村文化財保護条例
昭和51年6月25日
条例第20号
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は,文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第182条第2項の規定に基づき,同法及び福島県文化財保護条例(昭和50年福島県条例第54号)で指定された文化財をのぞき,玉川村の区域内に存する重要な文化財について,その保存及び活用のため必要な措置を講じ,もって村民の文化の向上に資するとともに,わが国の文化の進歩に貢献することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例で「文化財」とは,法第2条第1項各号に掲げる「有形文化財」,「無形文化財」,「民俗文化財」及び「記念物」をいう。
(財産権等の尊重及び他の公益との調整)
第3条 教育委員会は,この条例の執行に当っては,関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに,文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。
第2章 村指定有形文化財
(指定等)
第4条 教育委員会は,村の区域内に存する有形文化財(法第27条第1項の規定により重要文化財に指定されたもの及び福島県文化財保護条例第4条第1項により指定されたものを除く。)のうち,村にとって重要なものを玉川村指定有形文化財(以下「村指定有形文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は,前項の指定をしようとするときは,別に定める玉川村文化財保護審議会(以下「文化財保護審議会」という。)に諮問するとともに,当該指定に係る有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者の同意を得なければならない。ただし,当該所有者及び占有者が判明しない場合はこの限りでない。
3 第1項の指定は,その旨を告示するとともに,当該指定に係る有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知して行う。
5 教育委員会は,第1項の指定をしたときは,当該村指定有形文化財の所有者に指定書を交付しなければならない。
(解除等)
第5条 教育委員会は,村指定有形文化財が村指定有形文化財としての価値を失なった場合,その他特別の理由があるときは,その指定を解除することができる。
2 教育委員会は,前項の解除をしようとするときは,文化財保護審議会に諮問しなければならない。
3 第1項の解除は,その旨を告示するとともに,当該村指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知して行う。
5 村指定有形文化財について法第27条第1項の規定による重要文化財の指定があったとき及び福島県文化財保護条例第4条第1項の規定による重要文化財の指定のあったときは,当該村指定有形文化財の指定は,解除されたものとする。この場合において,教育委員会は,その旨を告示するとともに,当該村指定有形文化財の所有者及び権原に基づく占有者に通知しなければならない。
(管理方法の指示)
第6条 教育委員会は,村指定有形文化財の所有者に対し,その管理に関し必要な指示をすることができる。
3 村指定有形文化財の所有者は,管理責任者を選任したときは速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も,同様とする。
2 教育委員会は,当該村指定有形文化財の保存上必要があると認めるときは,前項の届出に係る修理に関し技術的な指導助言をすることができる。
(所在場所の変更の届出)
第10条 村指定有形文化財の所有者は,当該村指定有形文化財の所在場所を変更しようとするときは,その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし,教育委員会規則で定める場合は,この限りでない。
2 前項の場合において,緊急やむを得ない理由によりあらかじめ届け出ることができないときは,所在場所を変更した後速やかに届け出なければならない。
(現状変更等制限)
第11条 村指定有形文化財に関しその現状を変更し,又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は,教育委員会の許可を受けなければならない。ただし,現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合,保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合は,この限りでない。
2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は,教育委員会規則で定める。
(公開)
第12条 教育委員会は,村指定有形文化財の所有者に対し,3月以内の期限を限って,当該村指定有形文化財の公開を勧告することができる。
2 村指定有形文化財の所有者及び当該所有者以外の者は,当該村指定有形文化財を公衆の観覧に供するため公開しようとするときは,当該公開する日の20日前までにその旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし,当該村指定有形文化財の所在場所において公開するときは,この限りでない。
3 教育委員会は,前項の届け出があったときは,当該公開及び当該公開に係る村指定有形文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。
(地位の承継等)
第13条 村指定有形文化財の所有者は,当該村指定有形文化財を譲渡するときは,当該村指定有形文化財の引き渡しと同時にその指定書を当該村指定有形文化財の譲受人に引き渡さなければならない。
2 村指定有形文化財の譲受人は,当該村指定有形文化財に関しその譲渡人が有していたこの条例に基づく地位を承継する。
3 第1項の場合において,当該村指定有形文化財の譲受人は,速やかにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
第3章 村指定無形文化財
(指定等)
第14条 教育委員会は,村の区域内に存する無形文化財(法第71条第1項の規定により重要無形文化財に指定されたもの及び福島県文化財保護条例第14条第1項により指定されたものを除く。)のうち,村にとって重要なものを玉川村指定無形文化財(以下「村指定無形文化財」という。)に指定することができる。
2 教育委員会は,前項の指定をするときは,当該指定に係る無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成委員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
3 教育委員会は,第1項の指定をした後においても,当該村指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは,その者を当該村指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定することができる。
(解除等)
第15条 教育委員会は,村指定無形文化財が村指定無形文化財としての価値を失なった場合その他特別の理由があるときは,その指定を解除することができる。
2 教育委員会は,村指定無形文化財の保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合,保持団体がその構成員の異動のため保持団体として適当でなくなったと認められる場合その他特別の理由があるときは,その認定を解除することができる。
3 教育委員会は,前2項の解除をしようとするときは,文化財保護審議会に諮問しなければならない。
6 村指定無形文化財について法第71条第1項の規定による重要無形文化財の指定があったとき及び福島県文化財保護条例第14条第1項の規定による重要無形文化財の指定があったとき,又は村指定無形文化財の保持者若しくは保持団体のすべてについて認定の解除があったときは,当該村指定無形文化財の指定は,解除されたものとする。
(保存)
第16条 教育委員会は,村指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは,村指定無形文化財について自ら記録を作成し,その他村指定無形文化財の保存のため必要な措置を行うことができる。
(公開)
第17条 教育委員会は,村指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し,村指定無形文化財の公開を勧告することができる。
第4章 村指定有形民俗文化財,村指定無形民俗文化財
(指定等)
第18条 教育委員会は,村の区域内に存する有形の民俗文化財又は無形の民俗文化財(法第78条第1項の規定により重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財に指定されたもの及び福島県文化財保護条例第18条第1項により指定されたものを除く。)のうち村にとって重要なものを玉川村指定有形民俗文化財(以下「村指定有形民俗文化財」という。)に,又は玉川村指定無形民俗文化財(以下「村指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。
3 教育委員会は,第1項の規定により村指定無形民俗文化財に指定しようとするときは,文化財保護審議会に諮問しなければならない。
4 第1項の規定による村指定無形文化財の指定は,その旨を告示する。
(解除等)
第19条 教育委員会は,村指定有形民俗文化財又は村指定無形民俗文化財が村指定有形民俗文化財又は村指定無形民俗文化財としての価値を失った場合その他特別の理由があるときは,その指定を解除することができる。
2 村指定有形民俗文化財又は村指定無形民俗文化財について,法第78条第1項の規定による重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財の指定があったとき及び福島県文化財保護条例第18条第1項の規定による重要有形民俗文化財又は重要無形民俗文化財の指定があったときは,当該村指定有形民俗文化財又は村指定無形民俗文化財の指定は,解除されたものとする。
6 第1項の規定による村指定無形民俗文化財の指定の解除は,その旨を告示する。
7 第2項の規定により,村指定無形民俗文化財の指定が解除されたときは,教育委員会はその旨を告示する。
(村指定有形民俗文化財の保護)
第21条 村指定有形民俗文化財に関しその現状を変更し,又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は,当該現状を変更し,又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする日の20日前までにその旨を教育委員会に届け出なければならない。
2 教育委員会は,当該村指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは,前項の届出に係る現状の変更又はその保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。
(村指定無形民俗文化財の保存)
第23条 教育委員会は,村指定無形民俗文化財の保存のため必要があると認めるときは,村指定無形民俗文化財について,自ら記録の作成その他村指定無形民俗文化財の保存のため適当な措置を行うことができる。
(村指定無形文化財の記録の公開)
第23条の2 教育委員会は,村指定無形民俗文化財の記録の所有者に対し,その記録の公開を勧告することができる。
(村指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録作成等)
第23条の3 教育委員会は,村指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財(法第91条で準用する同法第77条第1項の規定により選択されたもの及び福島県文化財保護条例第23条の第3項の規定により選択されたものを除く。)のうち特に必要なものを選択して,自らその記録を作成し,保存し,又は公開することができる。
第5章 村指定史跡名勝天然記念物
(指定)
第24条 教育委員会は,村の区域内に存する記念物(法第109条第1項の規定により史跡,名勝又は天然記念物に指定されたもの及び福島県文化財保護条例第24条第1項の規定により史跡,名勝又は天然記念物に指定されたものを除く。)のうち村にとって重要なものを玉川村指定史跡,玉川村指定名勝又は玉川村指定天然記念物(以下「村指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)にすることができる。
(解除)
第25条 教育委員会は,村指定史跡名勝天然記念物が村指定史跡名勝天然記念物としての価値を失った場合その他の特別の理由があるときは,その指定を解除することができる。
2 村指定史跡名勝天然記念物について,法第109条第1項の規定による史跡名勝天然記念物の指定があったとき及び福島県文化財保護条例第24条第1項の規定による史跡名勝天然記念物の指定があったときは,当該村指定史跡名勝天然記念物の指定は,解除されたものとする。
(現状変更等の制限)
第27条 村指定史跡名勝天然記念物に関しその現状を変更し,又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は,教育委員会の許可を受けなければならない。ただし,現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合,保存に影響を及ぼす行為については影響の軽微である場合,この限りでない。
2 前項ただし書に規定する維持の措置の範囲は,教育委員会規則で定める。
第5章の2 村選定保存技術
(選定等)
第28条の2 教育委員会は,村の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のために欠くことのできないもの(法第147条第1項の規定により選定保存技術に選定されたもの及び福島県文化財保護条例第28条の第2項の規定により選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち,村として保存の措置を講ずる必要があるものを玉川村選定保存技術(以下「村選定保存技術」という。)として選定することができる。
2 教育委員会は,前項の規定による選定をしようとするときは,当該選定に係る保存技術の保持者又は保存団体(村選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)を認定しなければならない。
(解除等)
第28条の3 教育委員会は,村選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなった場合その他特別の理由があるときは,その選定を解除することができる。
2 教育委員会は,保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められる場合その他特別の理由があるときは,その選定を解除することができる。
4 村選定保存技術について法第147条第1項の規定による選定保存技術の選定があったとき並びに福島県文化財保護条例第28条の第2項の規定により選定保存技術の選定があったときは,村選定保存技術の選定は,解除されたものとする。
6 村選定保存技術の保持者のすべてが死亡し,又は保存団体のすべてが解散したとき(消滅したときを含む。)は村選定保存技術の選定は解除されたものとする。この場合において前項の規定を準用する。
(保存)
第28条の4 教育委員会は,村選定保存技術の保存のため必要があると認めるときは,村選定保存技術について自ら記録の作成その他村選定保存技術の保存のため必要な措置を行うことができる。
第6章 雑則
(補助)
第29条 教育委員会は,村指定有形文化財,村指定無形文化財,村指定有形民俗文化財,村指定無形民俗文化財又は村指定史跡名勝天然記念物(以下「村指定文化財」と総称する。)の所有者,保持者,保持団体その他その保存に当ることを適当と認める者(第31条において「所有者等」という。)又は村選定保存技術の保持者若しくは保存団体に対し,予算の範囲内において,当該村指定文化財の管理,修理,公開その他その保存に要する経費の一部又は村選定保存技術の保存に要する経費の一部を補助することができる。
(報告の徴収)
第30条 教育委員会は,必要があると認めるときは,村指定文化財の所有者,保持者,保持団体又は管理責任者に対し,当該村指定文化財の現状又は管理若しくは修理の状況につき報告を求めることができる。
(助言又は勧告)
第31条 教育委員会は,村指定文化財の所有者又は村選定保存技術の保持者若しくは保持団体に対し,当該村指定文化財又は村選定保存技術の保存のため必要な助言又は勧告をすることができる。
附則
(施行期日)
1 この条例は,公布の日から施行する。
(条例の廃止)
附則(平成20年条例第12号)
この条例は,公布の日から施行する。