○玉川村農業次世代人材投資資金(経営開始型)交付要綱
平成30年6月29日
要綱第21号
(趣旨)
第1条 この要綱は,本村における青年の就農意欲の喚起及び就農の定着を目的とし,次世代を担う農業者となることを志向する者に対し,就農直後の経営を確立させるために必要な費用を予算の範囲内で交付することに関し,玉川村補助金等の交付に関する規則(昭和56年玉川村規則第3号。以下「規則」という。)に定めるもののほか,必要な事項を定めるものとする。
(1) 農業経営の開始 新たに農業経営を行うことであり,原則として次のことが確認されること。
ア 農地の所有権,地上権,永小作権,質権,使用貸借による権利,貸借権又はその他の使用及び収益を目的とする権利を取得すること。
イ 農業経営に必要な施設,機械又は資材を購入若しくは賃借し,又は設置すること。
ウ 農業経営に必要な農作業を開始すること。
エ その他,村長が農業経営の開始と認めること。
(2) 家族経営協定 夫婦が共同経営者であることが規定されている協定で,次のことが定められているものをいう。
ア 夫婦が共同で経営計画及び役割分担を決定すること。
イ 夫婦が相互に責任ある経営を共同で行うこと。
ウ 農業経営から生じる損益が夫婦それぞれに帰属すること。
(3) 人・農地プラン 集落又は地域の人と農地の問題に対し,当該集落又は地域の人との話し合いにより,地域の特性を生かした農業施策を推進すること等を目的として作成された計画のうち,村長が決定したものをいう。
(資金の申請等)
第3条 農業次世代人材投資資金(以下「資金」という。)の交付を受けようとする者は,資金の交付申請をする前に,農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)第14条の4第1項の認定を受けた青年等就農計画(以下「青年等就農計画」という。)に,国が定める農業次世代人材投資資金申請追加資料等を添付したもの(以下「青年等就農計画等」という。)を村長に提出し,承認を受けなければなければならない。
2 村長は,青年等就農計画等の提出があったときは,当該計画について承認する前に,当該計画の内容について,玉川村農業経営改善計画・青年等就農計画認定会議設置要綱(平成27年玉川村要綱第10号)に基づく玉川村農業経営改善計画・青年等就農計画認定会議(以下「認定会議」という。)の審査に付すものとする。
4 青年等就農計画等の審査に係る承認の基準は,別表第1に定めるとおりとする。
5 青年等就農計画等の承認を受けた者が,資金の交付を申請するときは,農業次世代人材投資資金(経営開始型)交付申請書(様式第2号)により,村長に申請しなければならない。
6 資金の申請および交付は,半年ごとに行うことを原則とする。ただし,村長が認める場合に限り1年分を行うことができるものとする。
7 前項に規定する交付の申請は,交付対象期間の初日から1年以内に行うものとする。
8 経営開始後1年を超えて交付の申請をした場合は,既に経過した年数分は,交付の対象とはならず,経営開始後5年目までの残りの年数分の交付を行うものとする。
(資金の額)
第4条 経営開始初年度は,交付期間1年につき1人当たり年間150万円を交付し,経営開始2年目以降は,交付期間1年につき1人当たり350万円から前年の総所得(農業経営開始後の所得に限り,資金を除く。以下同じ。)を減じた額に5分の3を乗じて得た額(その額に1円未満の端数があるときは,その端数を切り捨てた額)を交付する。ただし,前年の総所得が100万円未満の場合は150万円を交付する。
2 前項の規定にかかわらず,夫婦で農業経営を開始し,次の要件を全て満たす場合は,交付期間1年につき夫婦合わせて前号の額に1.5を乗じて得た額(その額に1円未満の端数があるときは,その端数を切り捨てた額)を交付する。
ア 家族経営協定を締結しており,当該協定において夫婦が共同経営者であることが規定されていること。
イ 農地,農業機械,農業施設等の主要な経営資産を夫婦で共有又は夫婦それぞれで所有していること。
ウ 夫婦共に人・農地プランに中心となる経営体として位置付けられていること,若しくは位置付けられることが確実であると見込まれていること,又は農地中間管理機構(農地中間管理事業の推進に関する法律(平成25年法律第101号)第2条第4項に規定する者をいう。以下同じ。)から農地を借り受けていること。
(交付の方法)
第5条 資金の交付期間は,別表第1に定める交付要件を全て満たしてから,1年間を単位とし,5年間を限度とする。
(交付の条件)
第6条 規則第6条第1項第6号のその他必要と認める条件は,次に掲げるとおりとする。
(1) 資金に係る帳簿及び証拠書類を整備し,事業が完了した日の属する年度の翌年度から起算して5年間保存すること。
(2) 交付期間内の毎年7月末及び翌年1月末までに,その直近6か月の就農状況報告(様式第3号)を村長に提出すること。
(青年等就農計画等の変更)
第7条 青年等就農計画等の承認を受けた者は,青年等就農計画等の内容を変更する場合は,変更後の当該計画を村長に提出し,その承認を受けなければならない。
2 前項に定める青年等就農計画等の変更のうち,追加の設備投資を要しない程度の経営面積の拡大又は品目ごとの経営面積の増減等の軽微な変更については,当該計画の変更の認定を要しないものとする。
(資金の交付)
第8条 村長は,資金の交付申請があった場合において,申請の内容が適当であると認めるときは,農業次世代人材投資資金(経営開始型)交付決定通知書(様式第6号)により交付申請者に通知するものとする。
(概算払)
第10条 交付対象者が資金の概算払を受けようとするときは,農業次世代人材投資資金(経営開始型)概算払請求書(様式第8号)を村長に提出しなければならない。
(1) 資金の交付を受けたことが確認できる書類
(2) その他村長が必要と認めて指示する書類
(額の確定等)
第12条 村長は,前条の規定による実績の報告を受けた場合は,これを審査し,補助事業の成果が資金の交付の決定の内容及びこれに付した条件に適合すると認められるときは,交付すべき資金の額を確定し,規則第15条の規定により資金の交付額の確定の通知を書面により資金の交付決定を受けた者に速やかに通知するものとする。ただし,確定額が交付決定した額と同額である場合は,当該通知を省略することができる。
2 資金交付額の全部又は一部が既に交付されている場合において,既に交付された資金の額が資金交付の決定額を上回る場合は,当該資金の交付を受けた交付対象者はその差額を返還しなければならない。
(農業経営の中止)
第13条 交付対象者は,農業経営を中止するときは,中止届(様式第10号)により村長へ届け出るものとする。
(農業経営の休止)
第14条 交付対象者は,病気,災害等のやむを得ない事由により農業経営を休止するときは,休止届(様式第11号)により村長へ届け出るものとする。
(資金の不支給及び返還)
第16条 村長は,資金の交付を受けようとするものが別表第2に定める要件に該当するときは,資金を交付しないものとする。
2 村長は交付対象者が別表第2に定める要件に該当することとなったときは,当該要件に該当する日の属する月を含む残りの交付対象期間分に相当する額を月割によって計算し,当該額について交付対象者に返還を命じることができる。
3 村長は,交付対象者が虚偽その他不正な手段により青年等就農計画等の承認を受け,又は資金の交付を受けたときは,資金交付の決定の内容の全部又は一部を取り消すものとする。この場合において,村長は,交付対象者に対し既に交付した資金の全部又は一部の返還を求めるものとする。
5 村長は,資金の交付期間(休止等,実際に交付を受けなかった期間を除く。)と同期間,同程度の営農を継続しなかった場合は,交付対象者に対し交付済みの資金の総額に,営農を継続しなかった期間(月単位)を交付期間(月単位)で除した値を乗じた額の返還を求めるものとする。ただし,交付対象者が第25条に規定する中間評価によりC評価相当とされた場合を除く。
2 村長は,前項の申請があったとき,その内容が病気,災害等のやむを得ない事情であり,かつ,当該申請に係る返還の免除が妥当であると認めるときは,資金の返還を免除することができる。
(住所等の変更)
第18条 交付対象者は,交付期間内及び交付期間終了後5年以内に氏名,居住地,電話番号を変更したときは,当該変更をした日の翌日から起算して1か月以内に住所等変更届(様式第14号)を村長に提出しなければならない。
(報告)
第19条 村長は,本事業の適正な実施及び効果を確認するため,交付対象者に対して,必要に応じ,報告を求めることができる。
(交付情報等の登録)
第20条 村長は,第3条第5項に規定する交付申請書等の提出があった場合,農業次世代人材投資資金交付対象者データベースに交付申請書等に記載されている交付情報等を速やかに登録するものとする。
(個人情報の取扱い)
第21条 村長は,本事業の実施に際して得る個人情報については,個人情報の取扱い(様式第15号)の記載内容により適切に取り扱うものとする。
確認は,就農状況確認リスト(様式第16号)を使い,以下の方法により行うものとする。
1 交付対象者への面談
(1) 青年等就農計画等達成に向けた取組状況
2 圃場確認
(1) 耕作すべき農地が遊休化されていないか
(2) 農作物を適切に生産しているか
3 書類確認
(1) 作業日誌
(2) 帳簿
(サポート体制の整備)
第23条 村長は,交付対象者の経営・技術,営農資金及び農地に関する課題に対応するため,次に掲げる者で構成する支援体制を構築するものとする。
(1) 村の職員
(2) 玉川村農業委員会に所属する者
(3) 福島県県中農林事務所須賀川農業普及所の職員
(4) 夢みなみ農業協同組合又は株式会社日本政策金融公庫等金融機関の職員
(5) 夢みなみ農業協同組合玉川営農センターの職員
(6) 玉川村営農推進協議会の職員
2 村長は,前項に規定する体制の中から資金受給者ごとに経営・技術,営農資金及び農地それぞれの担当者(以下「サポートチーム」という。)を選任し,資金受給者の各課題の相談先を明確にするものとする。
(交付対象者へのサポート)
第24条 交付対象者は,経営・技術,営農資金,農地の各課題について,サポートチームに相談することができる。
2 サポートチームは,原則として10月と4月の年2回,交付対象者を訪問し,経営状況の把握及び諸課題の相談に対応し,サポートチーム活動記録(様式第17号)を取りまとめるものとする。
3 サポートチームは,第25条に規定する中間評価によりB評価相当とされた者に対し,評価結果を踏まえた重点指導案を取りまとめ,翌年1年間指導を行うものとする。
(中間評価)
第25条 村長は,交付対象者の交付期間2年目が終了した時点で,当該交付対象者の中間評価を実施する。
2 村長は,中間評価を認定会議の評価に付すものとする。
3 村長は,前項の評価の結果を尊重し,交付対象者をA(良好),B(やや不良),C(不良)の3段階に区分する。
4 村長は,A評価の交付対象者については,引き続き交付を継続する。また,B評価の交付対象者については,サポートチームを中心とした重点指導の対象者として認定し,1年間,重点指導を行いつつ交付を継続し,再度,中間評価に準じ評価を行う。C評価の交付対象者については,資金の交付を中止する。
(立入調査)
第26条 村長は,本事業が適切に実施されたかどうか及び本事業の効果を確認するため,資金受給者に対し,現地への立入調査を行うことができるものとする。
(補則)
第27条 この要綱に定めるもののほか,資金の交付に関し必要な事項は,村長が別に定める。
附則
この要綱は,平成30年7月1日から施行する。
附則(令和5年要綱第9号)
この要綱は,公布の日から施行し,令和5年4月1日から適用する。
別表第1(第3条,第5条関係)
承認基準 (交付対象となる要件) | 承認の基準及び交付対象となる要件は,次のいずれも満たすものとする。 (1) 独立・自営就農時の年齢が原則45歳未満であり,農業経営者となることについて強い意欲を有していること。 (2) 次に掲げる要件を全て満たす独立・自営就農であること。 ア 農地の所有権又は利用権を交付対象者が有していること。ただし,親族から貸借した農地が主である場合は,交付期間中に当該農地の所有権を交付対象者に移転することを確約すること。なお,租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第70条の4第6項に規定する特例付加年金の支給を受けるため使用貸借による権利の設定をしている場合及び同条第22項に規定する営農困難時貸付けによる権利の設定をしている場合並びに同法第70条の4の2第1項に規定する特定貸付けの特例を受けている場合は,この限りではない。 イ 主要な農業機械及び施設を交付対象者が所有又は貸借(使用貸借を含む。)していること。 ウ 生産物,生産資材等を交付対象者の名義で出荷又は取引すること。 エ 交付対象者の農産物等の売上,経費の支出等の経営収支を,交付対象者の名義の通帳及び帳簿で管理すること。 オ 交付対象者が農業経営に関する主宰権を有していること。 (3) 農業経営の全部又は一部を継承する場合は,継承する農業経営に従事してから5年以内に継承して農業経営を開始し,かつ交付期間中に,新規作物の導入,経営の多角化等経営発展に向けた取組を行い,新規参入者(土地や資金を独自に調達し,新たに農業経営を開始したものをいう。)と同等の経営リスクを負って経営を開始する青年等就農計画等であると村長に認められること。ただし,一戸一法人(原則として世帯員のみで構成される法人。)以外の農業法人を継承する場合は,交付の対象外とする。(交付対象者が農業経営を法人化している場合は,(2)のア及びイの「交付対象者」を「交付対象者又は交付対象者が経営する法人」と,ウ及びエの「交付対象者」を「交付対象者が経営する法人」と読み替えるものとする。) (4) 青年等就農計画等が次に掲げる基準に適合していること。 ア 農業経営を開始してから5年を経過するまでに農業(農業生産のほか,農産物の加工又は直接販売,農家レストラン,農家民宿等関連事業を含む。)で生計が成り立つ計画であること。 イ 計画の達成が実現可能であると見込まれること。 (5) 人・農地プランに中心となる経営体として位置づけられていること,若しくは位置づけられることが確実と見込まれていること,又は農地中間管理機構から農地を借り受けていること。 (6) 原則として生活費の確保を目的とした国の他の事業による交付を受けていないこと。 (7) 農業経営を開始して5年以内の者であること。 (8) 原則として,農林水産省経営局が運営する青年新規就農者ネットワーク(一農ネット)に加入していること。 (9) 法に基づく青年等就農計画の認定を受けた者であること。ただし農業経営基盤強化促進法第14条の5第2項に規定する認定の取り消しを受けた場合及び同条第3項に規定する認定の効力を失った場合は対象としない。 |
別表第2(第16条関係)
不支給要件 | 資金を不支給とする要件は,以下のとおりとする。 (1) 別表第1各号の要件を満たさなくなった場合 (2) 農業経営を中止した場合 (3) 農業経営を休止した場合 (4) 第6条第2項に規定する報告を行わなかった場合 (5) 第20条に規定する就農状況の確認により,適切な農業経営を行っていないと村長が判断したとき。(例:青年等就農計画等の達成に必要な経営資産を縮小した場合,耕作すべき農地を遊休化した場合,農作物を適切に生産していない場合,農業生産等の従事日数が一定(年間150日かつ年間1,200時間)未満である場合,交付主体から改善指導を受けたにもかかわらず,改善に向けた取組を行わない場合など)。 (6) 第19条に規定する報告又は現地への立入調査に協力しない場合。 (7) 対象者の前年の総所得が350万円以上であった場合。ただし,その後350万円を下回った場合は,翌年から交付を再開することができる。 (8) 第25条に規定する中間評価によりC評価相当と判断された場合 |