○玉川村情報公開条例

平成12年12月22日

条例第35号

目次

第1章 総則(第1条~第4条)

第2章 公文書の開示(第5条~第12条)

第3章 救済の手続(第12条の2~第14条)

第4章 補則(第15条~第19条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は,村民の公文書の開示を求める権利を明らかにするとともに,公文書の開示について必要な事項を定めることにより,村民の村政に対する理解と信頼を深め,もって開かれた村政を一層推進することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において,次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) この条例において実施機関とは,村長,教育委員会,選挙管理委員会,監査委員,農業委員会,固定資産評価審査委員会及び議会をいう。

(2) この条例において公文書とは,実施機関の職員が職務上作成し,又は取得した文書,図画,写真,フィルム,電磁的記録(ビデオテープ,録音テープ,電子計算機磁気ファイル)であって,決裁又は供覧の手続が終了し,当該実施機関が管理しているものをいう。

(3) この条例において公文書の開示とは,実施機関が,この条例の規定により,公文書を閲覧及び視聴に供し,又は公文書の写しを交付することをいう。

(実施機関の責務)

第3条 実施機関は,村民の公文書の開示を求める権利が十分に尊重されるようにこの条例を解釈し,運用するとともに,個人の尊厳を守るため個人に関する情報が最大限に保護されるように努めなければならない。

(利用者の責務)

第4条 この条例の定めるところにより公文書の開示を受けたものは,これによって得た情報をこの条例の目的に即して適正に使用するとともに,第三者の権利を侵害することのないようにしなければならない。

第2章 公文書の開示

(請求権者)

第5条 次に掲げるものは,実施機関に対し,公文書の公開を請求することができる。ただし,未成年者にあっては,その法定代理人の同意を得なければならない。

(1) 村内に住所を有する者

(2) 村内に事務所又は事業所を有する個人又は法人その他の団体

(3) 村内に存する事務所又は事業所に勤務する者

(4) 村内に存する学校に在学する者

(5) その他実施機関が行う事務事業に利害関係を有する者

(開示しないことができる情報)

第6条 実施機関は,開示請求に係る公文書に次の各号のいずれかに該当する情報が記録されている公文書については,当該公文書の開示をしないことができる。

(1) 法令又は条例(以下「法令等」という。)の定めるところにより,明らかに開示することができないとされている情報

(2) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって,特定の個人が識別され,又は識別され得るもの。ただし,次に掲げる情報を除く。

 法令等の規定により,何人でも閲覧することができる情報

 公表することを目的として作成し,又は取得した情報

 法令等の規定に基づく許可,認可,届出等の際に実施機関が作成し,又は取得した情報で,開示することが公益上必要であると認められるもの

 当該個人が公務員(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第2条第1項に規定する国家公務員及び地方公務員法(昭和25年法律第261号)第2条に規定する地方公務員をいう。)である場合において,当該情報がその職務の遂行に係る情報であるときは,当該情報のうち,当該公務員の氏名,地位及び職務に関する情報

(3) 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって,開示することにより,当該法人等又は当該事業を営む個人の競争上の地位若しくは事業運営上の地位その他正当な利益が明らかに損なわれると認められるもの。ただし,次に掲げる情報を除く。

 人の生命,身体又は健康を事業活動によって生ずる危害から保護するため,開示することが必要であると認められる情報

 人の財産又は生活を違法又は不当な事業活動によって生ずる支障から保護するため,開示することが必要であると認められる情報

 又はに掲げる情報のほか,これらに準ずるものとして開示することが公益上必要であると認められる情報

(4) 開示することにより,人の生命,身体,財産又は社会的な地位の保護,犯罪の予防,犯罪の捜査その他公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがあるもの

(5) 村と国,他の地方公共団体その他公共団体若しくは公共的団体(以下「国等」という。)との協力,協議,依頼等により実施機関が作成し,又は取得した情報であって,開示することにより,村と国等との協力関係又は信頼関係が損なわれると認められるもの

(6) 村の機関内部又は村と国等の機関が行う事務事業について,その意思形成過程における審議,検討,調査,研究等に関する情報及び決裁又は供覧等の手続が終了していないものであって,開示することにより,当該事務事業又は将来の同種の事務事業に係る意思形成に支障が生じると認められるもの

(7) 村又は国等が行う監査,検査,争訟,交渉,契約,試験,調査,研究,人事管理,現業の事業経営その他の事務事業に関する情報及び決裁又は供覧手続が終了していないものであって,開示することにより,当該事務事業又は将来の同種の事務事業の公正又は円滑な執行に支障が生ずるおそれがあるもの

(8) 開示しないことを条件として任意に個人又は法人等から村の実施機関に提供された情報であって,当該個人又は法人等の承諾なく開示することにより,当該個人又は法人等の協力を得ることが著しく困難になると認められる情報のうち,開示しないという条件に合理的な理由があると認められるもの

(部分開示)

第7条 実施機関は,開示の請求に係る公文書に前条各号のいずれかに該当する情報が記録されている部分がある場合において,当該部分とそれ以外の部分とが容易に,かつ,公文書の開示を求める趣旨を損なわない程度に分離することができるときは,その部分を除いて,公文書の開示をするものとする。

(公文書の開示の請求方法)

第8条 公文書の開示を請求しようとするものは,当該請求に係る公文書を管理している実施機関に対し,次の各号に掲げる事項を記載した請求書(以下「請求書」という。)を提出しなければならない。

(1) 請求をする者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては,名称,事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)

(2) 当該請求に係る公文書を特定するために必要な事項

(3) 前2号に掲げるもののほか,実施機関が定める事項

(公文書の開示の決定等)

第9条 実施機関は,前条に規定する請求があったときは,当該請求のあった日から起算して15日以内に,当該請求に対する公文書の開示をするかどうかの決定を行わなければならない。

2 実施機関は,やむを得ない理由により,前項に規定する期間内に同項の決定を行うことができないときは,同項に規定する期間を30日を限度として延長することができる。この場合において,実施機関は,請求者に対し,速やかに当該延長の理由及び決定を行うことができる時期を書面により通知しなければならない。

3 実施機関は,第1項の決定を行ったときは,速やかに当該決定の内容を請求者に書面をもって通知しなければならない。

4 実施機関は,第1項の規定により,公文書の開示をしない旨の決定(第7条の規定による公文書の開示の決定を含む。)を行ったときは,その理由を前項の書面に記載して,通知しなければならない。この場合において,当該公文書に記録されている情報が期間の経過により開示できることが明らかであり,かつ,その時期が明示できるときは,その時期を付記しなければならない。

5 実施機関は,第1項に規定する決定を行う場合において,当該決定に係る公文書に第三者に関する情報が記録されているときは,当該情報に係る第三者に対し,開示請求に係る公文書の表示その他実施機関が定める事項を通知して,当該第三者が意見を述べる機会を与えることができる。

(公文書の存否の有無に関する情報)

第10条 実施機関は,開示請求に対し,当該開示請求に係る公文書が存在しているか否かを答えるだけで,非開示情報を開示することとなるときは,当該開示請求を拒否することができる。

2 実施機関は,前項の規定により公文書の存在の有無を明らかにしないときは,開示請求があった日から起算して15日以内に,その旨を決定しなければならない。

3 実施機関は,前項の決定を行ったときは,開示請求者に対し,速やかにその理由を付記した書面により通知しなければならない。

(公文書の開示の実施)

第11条 実施機関は,第9条第1項の規定により,公文書の開示をする旨の決定(第7条の規定による公文書の開示の決定を含む。)を行ったときは,請求者に対し,速やかに当該公文書の開示をしなければならない。

2 前項の公文書の開示は,第9条第3項の規定による通知により実施機関が指定する日時及び場所において行う。この場合において,実施機関は,公文書の開示をすることにより,当該公文書を汚損し,又は破損するおそれがあると認められるとき,第7条の規定による公文書の部分開示をするとき,その他相当の理由があるときは,当該公文書を複写したものにより,公文書の開示をすることができる。

(費用負担)

第12条 前条の規定による公文書の開示に係る手数料は,玉川村手数料徴収条例(平成12年玉川村条例第4号)の定めるところによる。

2 公文書の写しの交付又は送付を求めたときにおける当該公文書の写しの作成及び送付に要する費用は,請求者が負担しなければならない。

第3章 救済の手続

(審理員による審理手続に関する規定の適用除外)

第12条の2 第9条第1項及び第10条第1項に規定する決定又は開示請求に係る不作為に係る審査請求については,行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は,適用しない。

(審査請求があった場合の手続)

第13条 実施機関は,第9条第1項及び第10条第1項に規定する決定又は開示請求に係る不作為について審査請求があったときは,次の各号のいずれかに該当する場合を除き,遅滞なく玉川村情報公開審査会に諮問しなければならない。

(1) 審査請求が不適法であり,却下する場合

(2) 裁決で,審査請求の全部を認容し,当該審査請求に係る公文書の全部を開示することとする場合(第9条第5項に規定する第三者から当該公文書の開示について反対の意思を表示した書面が提出されている場合を除く。)

2 前項の規定による諮問は,行政不服審査法第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。

3 実施機関は,玉川村情報公開審査会から答申があった場合は,これを尊重して当該審査請求に対する裁決をし,次に掲げる者に対し,その旨を速やかに,通知しなければならない。

(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)

(2) 開示請求者(開示請求者が審査請求人又は参加人であるときを除く。)

(3) 当該審査請求に係る公文書の開示について反対の意思を表示した書面を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(玉川村情報公開審査会)

第14条 前条に規定する実施機関の諮問に応じて審査するため,申立てに係る事件ごとに玉川村情報公開審査会(以下「審査会」という。)を置く。

2 審査会は,前項に規定する審査のほか,情報公開制度に関する重要な事項について審議し,実施機関に意見を申し出ることができる。

3 審査会は,5人以内の委員をもって組織する。

4 委員は,公文書の開示に関し,公正な判断をなし得る識見を有する者のうちから村長が委嘱する。

5 委員の任期は,その委嘱の日から当該委員の委嘱に係る当該事項に関する調査審議が終了した日までとする。

6 審査会は,審議を行うため必要があると認めるときは,審査請求人,関係実施機関の職員その他関係人に対して,出席を求め,その説明若しくは意見を聴き,又は必要な資料の提出を求めることができる。

7 委員は,職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

8 前各項に定めるもののほか,審査会の組織及び運営に関し必要な事項は,規則で定める。

第4章 補則

(他の制度との調整)

第15条 この条例は,他の法令等により,閲覧若しくは縦覧又は公文書の謄本,抄本等の交付の手続が定められている場合については,適用しない。

(総合的情報提供施策の充実)

第16条 実施機関は,その管理する公文書の開示の総合的な推進を図るため,実施機関の管理する情報が適時に,かつ適切な方法で村民に明らかにされるよう,村民に対する情報の提供に関する施策の充実に努めるものとする。

(文書検索目録等の作成等)

第17条 実施機関は,公文書の検索に必要な文書目録を作成し,一般の利用に供するものとする。

(実施状況の公表)

第18条 村長は,毎年度1回,この条例の規定に基づく公文書の開示の実施状況について,公表するものとする。

(委任)

第19条 この条例に定めるもののほか,この条例の施行に関し必要な事項は規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は,平成13年4月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例は,平成13年4月1日以降に作成し,又は取得した公文書について適用する。

3 平成13年4月1日以前に作成し,又は取得した公文書であって,その文書検索目録等の作成が終了しているものについては,積極的に当該公文書の開示に努めるものとする。

(平成28年条例第1号)

(施行期日)

1 この条例は,行政不服審査法(平成26年法律第68号)の施行の日(平成28年4月1日)から施行する。

(経過措置)

2 行政庁の処分その他の行為又は不作為についての不服申立てであってこの条例の施行前にされた行政庁の処分その他の行為又はこの条例の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為に係るものについては,なお従前の例による。

玉川村情報公開条例

平成12年12月22日 条例第35号

(平成28年4月1日施行)