○玉川村太陽光発電設備設置事業と地域の調和に関する条例

令和7年3月17日

条例第1号

(目的)

第1条 この条例は、村内における太陽光発電設備の設置等に関し必要な事項を定めることにより、事業区域及び周辺地域における自然環境、景観及び生活環境(以下「自然環境等」という。)の保全並びに災害防止及び地域との調和を図り、もって村民の安全と安心の確保及び地域社会の発展に寄与することを目的とする。

(基本理念)

第2条 本村の美しい自然環境等は、村民の長年にわたる努力により形成されてきたものであることに鑑み、村民共通のかけがえのない財産として、将来にわたって村民が等しくその恩恵を享受することができるよう、その保全及び活用を図ることとする。

(定義)

第3条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 太陽光発電設備 太陽光を電気に変換する設備及びその附属設備で、定格出力が10キロワット以上のもの(同一又は共同の関係にあると認められる設置者が、同時期若しくは近接した時期又は近接した場所に設置する太陽光発電設備の合算した出力が10キロワット以上となる場合を含む。)をいう。ただし、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物の屋根又は屋上に設置するものを除く。

(2) 事業者 太陽光発電設備を設置する者及び発電事業を行う者をいう。

(3) 事業区域 太陽光発電事業の用に供する土地の区域をいう。

(4) 行政区 玉川村区に関する条例(昭和38年玉川村条例第47号)に規定する区域をもって組織する団体で、事業区域が所在する区域に係るものをいう。

(5) 近隣関係者 事業区域の境界から100メートル以内の区域に存する土地及び家屋の所有者等とする。ただし、太陽光発電事業に伴って自然環境等に一定の影響を受けると認められる者も対象者とみなす。

(6) 土地所有者等 事業区域の土地の所有者、占有者及び管理者をいう。

(村の責務)

第4条 村は、第1条に定める目的を達成するため、この条例の適正かつ円滑な運用を図らなければならない。

(事業者の責務)

第5条 事業者は、事業の実施に当たっては、関係法令、関係ガイドライン及びこの条例を遵守するとともに、自然環境等の保全及び災害の防止上、支障が生じないよう必要な措置を講じなければならない。

2 事業者は、近隣関係者との良好な関係を保つよう努め、事業の実施に伴い事故等が発生した場合又は紛争が生じた場合は、自己の責任において誠意をもってこれを解決し、再発防止のための措置を講じなければならない。

(村民の責務)

第6条 村民は、第1条に定める目的を達成するため、村の施策及びこの条例に定める手続の実施に協力するよう努めなければならない。

(土地所有者等の責務)

第7条 土地所有者等は、事業により、自然環境等を損ない、又は災害が発生することのないよう、事業者に対し、土地を適正に管理することを求めるよう努めなければならない。

(抑制区域の指定)

第8条 村長は、自然環境等の保全又は災害の防止のため、太陽光発電設備設置事業の実施について特に配慮が必要と認められる区域を抑制区域として指定する。

2 抑制区域は、規則で定める。

(届出及び同意)

第9条 事業者は、村内において事業を施行しようとするときは、当該事業に着手しようとする日の60日前までに、次に掲げる事項を村長に届け出て、村長の同意を得なければならない。

(1) 事業者の氏名及び住所(法人にあっては、その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)

(2) 事業の着手予定日及び完了予定日

(3) 太陽光発電設備の設置場所及び面積

(4) 事業の内容

(5) 行政区への説明会等に係る報告書

(6) 近隣関係者への説明等に係る報告書

(7) 前各号に定めるもののほか、規則で定める事項

2 前項の規定による届出をした者は、当該届出に係る事項の変更をしようとするときは、あらかじめ、その旨を村長に届け出て、村長の同意を得なければならない。

3 事業者は、太陽光発電設備の設置によって他の市町村の区域の自然環境等にも影響を及ぼすおそれがある場合、関係する市町村長からの意見書を届出書に添付しなければならない。

(同意の制限等)

第10条 村長は、事業区域の全部又は一部が抑制区域内に位置するときは、前条の同意をしないものとする。

2 村長は、前条の同意には、この条例の目的を達成するために必要な条件を付することができる。

(行政区への説明会等)

第11条 事業者は、第9条第1項の規定による届出を行う前に、行政区に対して同項第1号から第4号までに掲げる事項を周知し、事業の施行等について、説明会等を行わなければならない。

2 事業者は、第9条第2項の規定による届出を行う前に、行政区に対して、事業の施行等について説明会等を行わなければならない。ただし、事業内容等の変更が軽微で村長が説明会等を要しないと認めたときは、この限りでない。

3 事業者は、第1項及び前項の説明会等により、行政区の理解を得るように努めるものとする。

4 村長は、必要があると認めるときは、行政区の意見を聴くことができる。

(近隣関係者への説明等)

第12条 事業者は、第9条第1項の規定による届出を行う前に、近隣関係者に対して、同項第1号から第4号までに掲げる事項を周知し、事業の施行等について説明を行うものとする。

2 事業者は、第9条第2項の規定による届出を行う前に、近隣関係者に対して、事業の施行等について説明を行わなければならない。ただし、事業内容等の変更が軽微で村長が説明を要しないと認めたときは、この限りでない。

3 事業者は、第1項及び前項の説明により、近隣関係者の理解を得るように努めるものとする。

4 村長は、必要があると認めるときは、近隣関係者の意見を聴くことができる。

(関係法令に係る手続等の報告)

第13条 事業者は、第11条第1項及び前条第1項の規定による説明会等を行う前に、規則で定めるところにより、関係法令に係る手続等の状況を村長に報告しなければならない。

(工事着手等の届出)

第14条 事業者は、設置工事に着手するときは、規則で定めるところにより、速やかに村長に届け出なければならない。この場合において、工事を中止し、再開し、又は完了するときも同様とする。

2 村長は、前項の規定による設置工事を完了した旨の届出があったときは、現地確認を行うものとする。

(太陽光発電設備の廃止等)

第15条 事業者は、太陽光発電設備を廃止したときは、規則で定めるところにより、村長に届け出なければならない。

2 事業者は、太陽光発電設備の廃止については、発電事業開始から撤去等費用を積み立てる等、計画的な資金確保に努めるとともに、関係法令に基づき、太陽光発電設備を放置することなく速やかに撤去し、又は自らの責任において適正に処分しなければならない。

3 事業者は、太陽光発電設備の撤去が完了したときは、規則で定めるところにより、その完了の日から起算して30日以内に村長に報告しなければならない。

4 村長は、前項の規定による報告があったときは、現地確認を行うものとする。

(報告及び立入調査等)

第16条 村長は、この条例の施行に必要な限度において、事業者に対し報告若しくは資料の提出を求め、又は職員に事業区域に立ち入らせ、必要な調査をさせ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定による立入調査を行う職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入調査の権限は、これを犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

(指導、助言及び勧告)

第17条 村長は、自然環境等の保全、災害の防止その他この条例の施行に関し必要があると認めるときは、事業者に対して、必要な措置を講じるよう指導又は助言を行うことができる。

2 村長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、事業者に対して、期限を定めて必要な措置を講じるよう勧告することができる。

(1) 事業者が、第9条の規定による届出を行わず事業を実施したとき。

(2) 事業者が、太陽光発電設備の適正な管理を怠り、事業区域の内外に被害を与えたとき又は被害を与えるおそれがあるとき。

(3) 事業者が、自然環境等の保全又は災害の防止に重大な影響を及ぼすおそれがあるとき。

(4) 事業者が、前条第1項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をしたとき。

(5) 事業者が、前条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ若しくは忌避し、又は質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をしたとき。

(6) 事業者が、前項の指導又は助言に正当な理由なく従わなかったとき。

(公表及び通報)

第18条 村長は、前条第2項の規定による勧告を受けた事業者が、正当な理由がなく当該勧告に従わないときは、当該事業者の氏名、住所、当該勧告の内容及び規則で定める事項を公表し、国に通報するものとする。

2 村長は、前項の規定により公表しようとするときは、あらかじめ当該事業者に対して、その理由を通知し、意見を述べる機会を与えなければならない。

(委任)

第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、村長が規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和7年5月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の規定は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以降に太陽光発電設備の設置工事に着手する事業について適用する。

3 施行日前において、現に工事に着手している事業又は工事が完了している事業(以下「既存事業」という。)については、第5条及び第15条から第18条まで(第17条第2項第1号を除く。)の規定を適用する。

4 既存事業において、第9条第1項に掲げる事項を変更しようとするときは、同条第2項に規定する届出をしなければならない。

5 施行日後60日を経過する日までの間に事業に着手しようとするときにおける第9条の規定の適用については、同条第1項中「当該事業に着手しようとする日の60日前までに」とあるのは、「速やかに」と読み替えるものとする。

玉川村太陽光発電設備設置事業と地域の調和に関する条例

令和7年3月17日 条例第1号

(令和7年5月1日施行)