福島県石川郡玉川村・小高地区。
緑に囲まれたこの地域に、静かに佇む「大雷(だいらい)神社」があります。
今回お話を伺ったのは、その神主であり、玉川村で生まれ育った岩谷雅彦(いわや まさひこ)さん。
いったん東京で修行を積み、再び生まれ故郷へと戻ってきたUターン移住者です。
神職を志し、玉川村へUターン
「玉川村の大雷神社を継ぐために戻ってきました」と岩谷さん。
もともと玉川村の小高地区の出身で、神職の資格を取るため上京。専門的な学科のある学校で学び、修行を積み、東京にある神社の職員として働いたのち、故郷の神社を継ぐためにUターン移住しました。
「地元の神社は、自分が子どもの頃から慣れ親しんできた場所。村の人々にとっても、お祭りや行事を通して生活に根付いている存在です。その神社を次の世代につなげたいという思いが強くありました。」こうして岩谷さんは、村の暮らしに再び身を置くことになります。
「神主の一日」は、地域とともにある

神主という職業のイメージは人によってさまざまですが、実際の一日はとても多忙です。
「朝は境内や建物内の掃除から始まります。御祈願の予定があれば、授与品や祝詞(のりと)の準備もします。祝詞は伝統的な例文を参考にしながら、自分の言葉で作文します。」
そのほかにも、年中行事が円滑に進むよう事務処理を行ったり、関係各所との打ち合わせをしたり。
歴史や古文の勉強を通して教養を深めることも欠かせません。

また、神主同士の会合や、雅楽(ががく)の練習・演奏の依頼にも対応。
年末年始の門松づくり、夏の茅の輪づくりなど、季節を彩る飾り物の制作にも携わります。
「地域の人たちと一緒に準備していく過程が楽しいですね。昔ながらの行事を次の世代に伝えていくのも、自分の大切な役目だと感じています。」
玉川村で暮らす心地よさ

東京から玉川村に戻ってきて感じたのは、「暮らしやすさ」でした。
「人も道もごちゃごちゃしていない。車での移動がラクで、渋滞もほとんどないんです。駐車場代も安く、車を持つハードルが低い。一人当たりの占有面積が広いから、のびのび暮らせます。」
確かに、庭先でくつろいだり、畑を耕したりする時間は、都市部ではなかなか得られない贅沢です。
広い空と静かな空気が、心のゆとりを取り戻してくれます。
「特に感じるのは、土地の広さが心身に与えるプラスの影響ですね。都会では、お金を払って“癒やし”を買うようなことも、ここでは自然と生活の中にあります。」
そんな岩谷さんの言葉には、田舎暮らしの本質がにじんでいます。
もちろん、課題もあるが・・・
とはいえ、田舎暮らしにも不便な点はあります。
「ふらっと呑みに行くのは難しいですね(笑)。運転代行や移動手段を考えないといけないので、気軽さは都会に敵いません。」
それでも、岩谷さんにとって玉川村の暮らしは「不便よりも快適さが勝る」といいます。
忙しい日々の中でも、自然と向き合い、人とのつながりを感じながら過ごす時間は、何にも代えがたいそうです。
まとめ「田舎の“非日常”を、日常として味わってほしい」
「田舎の魅力は、“非日常が日常になること”だと思います。都会では、縁側でのんびりお茶を飲むような時間を“体験”としてお金を払わないと得られません。でも、ここではそれが普通の一日なんです。」
玉川村には、移住検討者向けの戸建てお試し住宅もあります。まずは数日でも、その“のびのびした日常”を体験してみてほしいと岩谷さんは語ります。
「広い空の下で深呼吸をするだけで、心が軽くなる。そんな感覚を、ぜひ一度味わってみてください。」
玉川村の暮らしは、静かで穏やか。でもその中には、確かに“豊かさ”が息づいています。
岩谷さんの言葉を通して、その魅力が少しでも伝わったのではないでしょうか。